注:Google Trendsのスクリプトを使った表がツイッターのリンクからだと表示できないようです。誠にご面倒お掛けしますが当該URLをコピーの上、任意のブラウザ(safari,chrome,IE)などに貼り付けてご覧ください。
Google Trendsとは
Google Trends(グーグルトレンド)とは、グーグル社が蓄積している世界中のインターネットユーザーの検索傾向(トレンド)を数値・グラフなどで見る事が出来る無料のツールです。
何だか難しそうな感じですが「グーグル急上昇ワードランキング」なら聞いた事がある人は多いのではないでしょうか?
Google Trends では、事件についてだったり、昨日のテレビドラマの内容だったり 、プロ野球の結果だったり、テレビや新聞、SNS など、人々の関心事になった事が多く掲載されています。
ちなみにこの記事を書いている2019年5月6日午前の日本において人々が関心を持って検索しているワードは映画が人気になっている「アベンジャーズ」だそうです。
Google Trends は人気のキーワードを調べるだけではなく特定のキーワードについて、国別、期間、カテゴリなどをフィルタリングして調べるという使い方もできます。
これらのGoogle Trendsの機能を使うことで日本のトレイルランニングの過去から現在。世の中の認識をトレンド検索してみます。
検索者の意図の違い
本題に移る前にそもそも検索者が検索する意図は何なのかを整理しておく必要があります。検索意図には大きくわけて2つの傾向があります。
1、ワード自体の意味を調べる。
予備知識として知らない言葉や全く新しい言葉がこれに該当します。
例えば、初めて聴いたロックバンドのグループ名だとか、最も最近だと「令和」なんかが良い例です。これは言葉自体を認識する為の検索行動です。
2、ワードの意味は知っていて、そのワードに関する情報が欲しい時。
例えば「犬」や「テレビ」というワードは調べなくても意味は誰でも知っていますよね。犬なら犬の画像を見たいとか、テレビなら、テレビを買いたいのか面白い番組の情報が欲しい時ですよね。
この2つの検索者の意図の違いを「トレイルランニング」というワードに置き換えたものが次の項目です。
現在と10年前の検索意図を比較する。
「トレイルランニング」とキーワードを入力し検索者が何のために検索しているのか、2018年の検索ボリュームと2008年の検索ボリュームを比較、観察。グラフは週における検索ボリュームの最大値を100とした値になっています。
2008年の検索傾向のグラフ
2008年の検索傾向としては9月14~20の週が「100」の検索ボリュームがある一方、「0」の週や25を下回る週があるなど指標は乱高下しています。
2018年の検索傾向のグラフ
2018年は4月末から6月中旬までが 「100」を含んだ 大きな山となっています。この時期はUTMF含めレース開催が多い事からだと思われます。8月の末はUTMB、10月中旬はハセツネカップの影響もあるでしょう。11月中旬は最低値の「28」となっています。
2008と2018の検索意図の違い
2008年と2018年の検索傾向を比べてみると2008年は「トレイルランニング」という言葉の意味自体を検索する人が多く、2018年では言葉自体は定着しているのでトレイルランニングにまつわる情報が欲しいという前述した「検索者の意図の違い」に当てはまると言って良いのではないでしょうか?指標が50を下回る事もなくなっています。
データがある2006年は0と100の差がもっと極端になっています。
ちなみに季節にほとんど影響しないと思われる様な「コーヒー」「猫」などと言った普遍的なキーワードは50以下になる様な事はほぼ無く常に安定しているのは想像できると思います。
トレラン黎明期から現在のトレンド
今度はグーグルにデータが存在する2004年から現在までの期間にフィルタを変えて観察してみましょう。
2004~2019現在のグラフでは、 2006年位から検索ボリュームが増え始め 2013年の5月と7月に最大指標の100を示しています。以後は緩やかに下降している傾向があります。
なぜ「トレイルランニング」という検索ワードが少なくなっているかといえば、派生するワードで検索が増えているからだと思われます。また年間を通して値が乱高下しなくなってきているのが近年の特徴です。
トレイルランニングの性質上、冬季(12月~3月)は検索ボリューム少なくなる傾向になっています。
2004年から2019年現在の検索傾向
この中で年度ごとにもっともボリュームの多い月をピックアップしてみると、面白い傾向が出てきました。
- 2004年から2008年までは脈絡の無い乱高下が多く、規則性や季節性の関連が見られない
- 2009年から2012年までは9月と10月のボリュームが明確に認識できる傾向に変わった。
- 2013年から2018年までは6月近辺が年間で最大ボリュームになる傾向が続いている。
この様な傾向から
2004年から2008年は検索者が言葉自体の意味を調べている時期。
2009年から2012年はUTMBの影響からか検索数が増えている成長期。
2013年から国内レースが充実しはじめ月による変動が少なくなり安定的になる時期という推察。
「トレイルランニング」か「トレラン」か
ブログ上の表現で「トレイルランニング」と表記すべきか「トレラン」と表記すればいいのか悩む時があります。
「トレラン」と書いて、トレーニングの為のランニング?なのか、走って何を取りに行くの?となるよりは「トレイルランニング」と素直に書いた方が一般的に意味が伝わると思っているからです。
しかし下記の検索ボリュームで比較してみるとあまり気にする必要はないのではと思ったりもします。
10年以上前は「トレイルランニング」を「トレラン」という略語で言っても通用しなかったと思われますが、どちらのワードが使われるかが2013年から2014年にかけて逆転し始めています。
2018年5月になると「トレラン」が100に対して「トレイルランニング」が48 と「トレラン」のというワードの方が一般化しています。
こちらのグラフをみてもトレイルランニングの転換期は2013年から2014年にかけて変わってきたのではないでしょうか?
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