スコット・ジュレクの本 「NORTH北へ」 のあらすじと感想

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スコット・ジュレクの新刊本「NORTH 北へ」読み終わりました。

一言で感想をいうと「凄い」しかないです。
僕の中では前作「EAT&RUN」も「凄い」本でしたが、話の内容がシンプルな分凄さが際立っていると思いました。


NORTH 北へ―アパラチアン・トレイルを踏破して見つけた僕の道

「NORTH北へ」の概要

「NORTH北へ」は2015年にスコット・ジュレクがアパラチアントレイルで南から北へと向かうFKTで46日8時間7分で最速踏破記録を樹立した時の過程をスコット自身が執筆した本です。

話はスコットがトレイルでの苦闘や喜びについて描かれるパートと、全行程をバンでサポートし続けた妻ジェニージュレク(ジェイルー)の手記が交互に記される形で進んでいきます。

※アパラチアントレイル(AT)・・・ アメリカ東部14州にまたがる全長2189マイル(3500キロ)のロングトレイル 累積標高は150km  パシフィック・クレスト・トレイル(PCT)と コンチネンタル・ディヴァイド・トレイル(CDT)で3大ロングトレイルとされている。

※FKT・・・Fastest known Timeの略 特定のトレイルコースで走った際のGPSデータをFKTのサイトにアップする事で最速記録を競うhttps://fastestknowntime.com

AT挑戦の意義

ウルトラトレイルランナーとしてのキャリアの終わりを感じていたスコットは、消えかけた炎を再び燃え上がらせる様な事を求めていて、いつかやってみたいと思っていたロングトレイルの踏破、アパラチアントレイルでのFKTを思いつきます。

流れに任せた計画

通常FKTの記録を狙う場合は事前に全道程をスルーハイクしておくか、全部は見ないにしても重要なセクションは試走しておく事が記録を狙うセオリー。

また近年、最速踏破記録を狙う挑戦者は皆、有利な”北から南”を目指していたにもかかわらず、スコットは大半のスルーハイカーと同じ様に”南から北”へ向かう事にしていた。

難しい局面が予想されるにも関わらずスコットの計画は大雑把な計画のみで、その時々で起こる出来事に対処していく事も挑戦の一つと捉えていた。その事が旅を進めて行くにつれ自身にもジェイルーに大きな負担を強いる事になり二人は疲弊していく。

ATに集まる仲間やファン

サポートクルーは当初の計画ではジェイルーのみで、各々の仕事の合間にサポートに駆けつける写真家の ”ルイス・エスコバー”や経験豊富な”デイヴィッド・ホートン”らのごく限られたメンバーだけだった。

しかし、トラックデータやSNSで状況を上げているせいで、”招かれざる客”が現れる。ジェイルーはスコットとの間に入る人間を望まなかった。

100マイル最多優勝記録を持ち、翌年にATのFKTの記録更新を狙うカール・メルツァー(スピードゴート)、

真夜中に訪れるスコットジュレクのファンだという親子。

スコットとの写真撮影で列を作るハイカー。

サポートクルーを申し出る素性の知れない地元のランナー

ジェイルーは迷惑を感じていたもののこれが結果的には大きな力となっていく。その力が無ければ記録達成はなし得なかった。

NORTHの読みどころ

長い旅の僅か5日目で脚を故障してしまうが、そこは持ち前の経験と精神力でのりこえてしまう。その程度の難局は「EAT&RUN」でも描かれていた。

しかし旅の終盤に近づくにつれて肉体的も精神的にも自身が経験した事の無いような極限へ向かう。

そこからが「NORTH」の醍醐味

その極限の淵の中で彼が何を考えて、実行したのかまた、僕たちに何を伝えようとしているのかを読み解いていってください。

NORTH 北へ―アパラチアン・トレイルを踏破して見つけた僕の道posted with カエレバスコット・ジュレク NHK出版 2018-09-27 Amazonで購入楽天市場で購入Yahooショッピングで購入

EAT&RUN 100マイルを走る僕の旅posted with カエレバスコット・ジュレク,スティーヴ・フリードマン NHK出版 2013-02-21 Amazonで購入楽天市場で購入Yahooショッピングで購入


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