適切なランニングフォームは重力が教えてくれるよ

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今回の記事は”ランニングフォーム”と”重力”の関係についてのお話です。

ランニングの技術に関する本を読んでいるとよく

左:良いフォーム 右:悪いフォーム のような図解や写真で解説があり

「正しい姿勢・フォームが大切です。」と書かれています。

それについては全く異論ありません。悪い方の写真は猫背で、視線は足元で、がに股で露骨に悪い姿勢なのでどちらが良いか悪いかなんてすぐにわかりますよね。

正しいフォームとは何なのか?

あらゆる本に書いてある正しいとされるフォームを、思いつく限り書き出してみましょう

  • 背筋を伸ばしてまっすぐ前を向く
  • アゴを”少し”引く
  • 肩をリラックスさせて”力を抜く”
  • ”自然”な歩幅で
  • 骨盤を”起こす”
  • 胸を”少し”開く
  • 腕は90度に曲げて”スっと”後ろに引く
  • 着地は”ポンッ”

以上の様に体のパーツ毎、セクション毎で別々の動きをするように書いてあります。それと「自然な」とか「少し」とか言われても抽象的過ぎて理解できなくないですか?

力の加減については「スッ」とか「ガッ」とか、着地音は「ポン」だったり「トン」だったり。擬音で表現して誰が理解できるんだろうかといつも思います。

これらの言葉の表現で万が一理解出来たとしても、体の別々のセクションに分散された動きを全て正確に行う事は出来るのでしょうか?

セクションごとにフォームを意識すると同時に出来るのはせいぜい3つくらいが限度で、腕振りを意識すれば着地がおざなりになり、骨盤を意識したときに肩に力が入り過ぎて肩が凝ったりしていませんか?

フォームは個別に作る物ではなく、重力によって作られる

ここで一つ、重力に倣えば正しく合理的(効率的)で、しかも美しいフォームになるという実例を挙げてみましょう。

アントニオ・ガウディはサグラダ・ファミリアなど曲線を多用した独特な構造をデザインしたスペインの建築家です。
ガウディのデザインは天井から、構造体に見立てた”ヒモ”と”おもり”をぶら下げたモデルを使った実験によって、自然に出来た曲線の形状を構造物のデザインに生かすという設計手法をとっていました。

ガウディの逆さモデル(フニクラ)の概念


ガウディは、この実験で作られたモデルの天地を逆転すれば、重力的には完璧に安定しているし、合理(効率)的でしかも美しいフォルムになると考えたのです。ガウディは建築物の敵である重力を味方にしたとも言えます。

この重力に倣ったフォルムは、ランニングフォームにも同じことが言えるのではないでしょうか?

個々のフォームは意識しない

重力を生かした動きで街中を気持ちよく走っている時、安定感があってなかなか美しいフォームのランナーが並走してくる事があります。このランナーのフォームには無駄が無い

その並走するランナーはガラスに映った自分の姿でした。

これは自分を褒めているわけではありませんよ。重力にならう事がすばらしいって事を言いたいんです。

重力だけを意識する事で、体のセクション毎に分散されたフォームを意識せずとも、おおよそ”正しいとされる個々の動き”は再現可能だということに気づくはずです。

面白いことに重力が体に示す曲線をなぞれば、自動的に姿勢が良くなるし、骨盤は起きてくるし、腕は振るんじゃなくて振られるようになるんですよね。

重力の前ではフォアフットかヒールストライクかも大した問題では無い

僕がランニングが好きになったのも、重力を操作するだけいう非常に単純な事が面白すぎて走ってるってのが多分にあります。

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