「ヤマノススメ」のサイクルジャージが「苅場坂峠」な件

この記事は約6分で読めます。

登山漫画の越権行為

ツイッターを何気なく見ていたら”ヤマノススメ”のTシャツが発売されるよ。
というツイートを目にしました。

そのTシャツの画像を見てみると、キャラクターの背景に映りこんでいるのは

なんと苅場(カバ)坂峠

何故に苅場坂峠で記念撮影するのか?記念撮影なら山頂でするべきだと思うんだが
苅場坂峠は眺望といった点ではまぁまあ有りますが・・
それに地味だと思うし女子高校生が来る様な場所じゃない!と思うんですよね。これは僕の偏見なのかもしれませんが・・・

気になって書品説明をよく見てみたら、Tシャツじゃなくてロードバイク用の”サイクルジャージ”なのか!

「そうか自転車で苅場坂まで来た設定なんだな。」
自転車であれば峠が最高到達点なので、記念撮影はうなずける。

「でもちょっと待て!その設定はおかしい。」

そもそも登山漫画なのになぜロードバイク用のウェアでサイクリングしてるのか?

また、数ある峠の中でなぜ(地味な)苅場坂峠を背景に選んだのか?

どうしても気になったので調べていたら・・・以外な事実が判明するかも!?
ということでリサーチ開始!!

「ヤマノススメ」はこんな作品

何度かアニメを見た事があるだけで詳しくないのでwikiの内容見ながら簡単に説明

インドア趣味で 高所恐怖症の主人公・あおいが、アウトドア志向の幼馴染・ひなたとの再会をきっかけとして、幼い頃に見た山頂の朝日を再び目にするべく、登山に臨む物語である。物語は、主に主人公の視点から描かれる。

ウィキペディアより

原作者”しろ”さんの登山経験が作品の中に反映されていて、ゆるふわアニメと思いきや節々にリアリティがあります。

富士登山の回を見た事があるんですが、主人公が高山病でぐったりして山頂行きをあきらめて挫折を味わうシーンがあったり、
主人公が登山のトレーニングの為に、天覚山から子の権現まで飯能アルプスを縦走する回があるそうで、絵面的に面白みの無い飯能アルプスを漫画にするってなかなか描かない事ですよね。
この辺の切り口は面白いと思っていました。

登山漫画なのにサイクルジャージ?

さて本題です。登山漫画なのにどうしてサイクルジャージなのでしょうか?
登山漫画なので原作内でロードバイクに乗っているシーンは無いと思うんだけど、調べてみても理由はわかりませんでした。

わかった事は既にヤマノススメのサイクルジャージというのは存在していて

2017年に飯能市のふるさと納税4万円以上の返礼品として”棒ノ折”を背景としたヤマノススメのサイクルジャージが出て話題になっていた様です。

ふるさと納税返礼品のサイクルジャージを着用してサイクリングした設定が今回の

”苅場坂峠のサイクルジャージ”

サイクリストの痛文化

ヤマノススメジャージの販売店のページをみてみた。
一部のサイクリストに需要があるのかアニメキャラクターをモチーフにした多種類の”痛ジャージ”が受注販売されていた。
ヤマノススメジャージの販売店のリンク

エヴァンゲリオンや初音ミクあたりは想像の範囲内でしたが、痛サイクルジャージを扱うショップには、”りらっクマ”とか”ゆるキャン”などの他は僕が全然知らないアニメばっかりでした。

恐るべしサイクリストの痛文化。

トレイルランニングにはまだ無い文化。それだけ懐が広いのだと感心してしまいました。
山で痛トレイルショーツを頻繁に見かけるようになった時には、トレイルランニングがオリンピック競技になってるかもしれませんよ。

そんな事を書いてたらふるさと納税の返礼品でも通常販売でもで新たにトレイルTシャツがラインナップされてたw
ヤマノススメ トレイルTシャツ

返礼品をサイクルジャージにした理由?

登山でこういうのを着用すると明かに下にみられる傾向があると思うのだが、
ロードバイク界隈だと市民権を得ていてそういうことは無いのだと思う。
山に登るという行為に限りなく近い存在で、尚且つ価値を下げない存在として
ロードバイク用のサイクルジャージに行き着いたのではないでしょうか?
それに山登りで着るといった使い方をしても良いわけです。

ふるさと納税返礼品は寄付額の3割

平成29年4月1日付けで総務大臣から各自治体に通知された内容によると
ふるさと納税に係る返礼品の送付等について

返礼割合に関しては、社会通念に照らし良識の範囲内のものとし、少なくとも、返礼品として3割を超える返礼割合のものを送付している地方団体においては、速やかに3割以下とすること。

とある
4万円の寄付を受けようと思った場合、1万2000円程度となる。
返礼品のサイクルジャージもその価格帯のようだ。

苅場坂峠以外の峠と比べてみる

まったくもって意味と理由がわからない。

苅場坂峠との比較対照として、サイクリストに人気があり記念撮影スポットとして成立しそうな峠や峠に近い目的地を、飯能市内からピックアップしてみました。

各峠を比較してみたら何か手がかりが掴めるかもしれない。

飯能限定としたのは、ヤマノススメが登山目的ならどこへ行っても問題無いが、
登山以外で飯能を出てしまうと世界観が崩壊し、製作者も、ファンも、地域の誰も得しないと思ったからです。


顔振峠・・・戦後のハイキングブームの頃からの歴史があり、昔からの茶屋がいくつかあります

記念撮影に顔振峠は無難だと思うのだが


高山不動尊・・階段下からローアングルで撮影するとキマりそうだが・・


刈場坂峠 数年前には茶屋があったが今は”広めの更地”に”刈場坂峠”の立派な看板があるだけ。上越方面、筑波方面まで見渡せる。トイレがある。


正丸峠・・・茶屋が一軒あるのみ。頭文字Dで主人公のホームコースとして度々出てくる場所。

 


子の権現天龍寺 ・・・足腰守護の神仏としてサイクリストも来る。ヤマノススメ本編にも登場しているようです。境内にラックもありますね。

竹寺・・鳥居下の茅の輪(藁で編んだ輪)の前なんか絵的にすごく良いと思うんだが・・


有間峠・・・標高1,149mで高度感があり天気が良ければ眺望が良いです。

但し森林管理用道路で一般車両の通行を目的として作られていません。
また、しょっちゅう崩落したり落石があったりするので一般車両は通行止めになります。ということで有間峠は無し。

このほかにもぶな峠、虚空蔵峠、山伏峠、東峠、天目指峠、仁田山峠など、峠はたくさんあり知らない所はいちいち調べましたが、道路と登山道がクロスしているだけの只の道路という事で除外しました。


《番外編》宮沢湖、あけぼの公園・・サイクリングコースとして人気がありそうですが・・宮沢湖はムーミンのもの。あけぼの公園もムーミンのもの

苅場坂峠を背景に選んだ理由は”聖地巡礼”

様々な峠を比較してみると”苅場坂峠”の特長がわかってきました。

苅場坂峠の特長は

 

何にも無い って事

なんにも無いのにどうして選んだのか?

深ヨミすると”聖地巡礼”というキーワードが浮かんできました。

苅場坂峠以外のスポットは既に固有のイメージがついています。
何も無い所にヤマノススメファンの”聖地巡礼スポット”を新たに作ろうとする動きなのではないか?と思ったわけです

何も無い所であれば味付けは、如何様にも変える事ができるんです。
それに苅場坂峠ならファンが多数来てもスペースが充分にある

結論が無理矢理すぎるかなぁ(笑)

最後まで妄想にお付き合い頂きありがとうございました。

 

コメント

  1. かーな より:

    ヤマノススメサイクルジャージを検索していて巡りあいました。
    なぜイラストが苅場坂峠なのかですが、苅場坂峠が有名なヒルクライムコースである奥武蔵グリーンラインの一部だからではないでしょうか。
    これが八王子なら和田峠、檜原村なら都民の森、秦野ならヤビツ峠になるのではないでしょうかね。

    • kenya より:

      かーなさん コメントありがとうございます。

      確かにヒルクライマーに苅場坂峠は有名なんですが、
      苅場坂峠は看板が無いと苅場坂峠だと分からない様な場所なので、
      看板ありきの場所
      なんでそこにしたのか未だにわかりません。

  2. かーな より:

    まさにその看板が大事なのですよ。
    近隣の峠に立つ峠の標は丸太風のものに大野や白石と入っているだけなことが多いです。

    対して狩場坂はあの看板があり、さらにその背後はひらけて見晴らしの良い場所であります。
    そうなると『写真』としての映え方が良くなります。

    サイクリストからすれば、写真を見ればどこかわかる看板ってのはメチャクチャ大事です。

    • kenya より:

      かーなさん こんにちは

      なるほどそういう事なんですね。サイクリストの文化がわからないので不思議に思っていました。

      しかし、登山マンガがサイクリングしている設定は未だに謎です。^^

タイトルとURLをコピーしました