ランニングを始めて、いろいろ試行錯誤しているうちにわかった事のひとつ
それは
「走らなければ速くなる」という事。
胡散臭い新刊本の中吊り広告にありそうなタイトルですね。
速く走るという事は
地面を強く蹴る=スピード
ですよね。
走らなければ速くなる。というのは
瞬間的な最高スピードの事を言っているのではなくて
長距離行動したときに疲労を軽減する方法にする事でスピード低下を防ぎ
相対的には速くなるという意味です。
前足は勢いよく持ち上げる。 後ろ足も勢いよく蹴り続けられれば当然速い。
しかし、そのスピードを維持し続ける事は困難です。
私の場合、少々の運動経験はありましたが、40を越えてからランニングを始めたので、今から劇的な体力アップというのは望めないでしょう。
これからもランニングを続けていくには現状の体力を維持、微増させつつ、
体に負担をかけない走り方と効率化(ランニングエコノミー)を身につけなければいけません。
ヒントがいっぱいある本の事を書いた記事です。
EAT&RUNを 走る為に噛み砕く
効率化には自分の体が持つ力を使うのでは無く
誰にでも平等に与えられている力「重力」を利用します。
「running is controlled falling」
「ランニングはコントロールされた落下である」という事を体感したのは
LSDトレーニングらしき運動をやってみたときでした。
LSDとは長時間(long)でゆっくり(slow)、長距離(distance)走るトレーニング方法。
Long Slow Distance(ロング・スロー・ディスタンス、LSD)は、ランニングやサイクリングにおいて有酸素持久力トレーニングの1形態を指す。
LSDトレーニングにより、循環器系の機能、体温調節の機能、ミトコンドリアのエネルギー生産能力の向上、骨格筋の酸化容量の増加、燃料として脂肪を利用する割合の増加といった身体機能への影響がある
wikipediaより Long Slow Distance
いくつかの情報からLSDの事を調べてみると
長距離を走る循環器系の耐性を養ったり、
体力の回復(リカバリー)などの目的がある事がわかった。
「歩く速度よりも遅く走る」という情報があり調べていくうちに
ダラダラ走るという事ではなく良いフォームで長時間走るというLSDの中に
「running is controlled falling」のヒントが隠れているのではないかと思ったわけです。
フォームを崩さず、普通に走る時と同じピッチで、適度に心拍を上げて、
遅く走る為には、
足を前に踏み込まずに、上体の動作(腕の振りや体の回旋)を先行してから
後ろ足を上体に「引き上げて」から「素早く落とす」という動作が必要でした。
キロ7,8分ペースで1時間半程繰り返してみると、
その動作を楽に行うには
「前足は重力直下に落として、後ろ足は前足を落とした反動で上体に引きつける」
という動作に変わり。思っていたことが見えてきました。
前足を踏み込む動作をやめて停止しようすると、勝手に足が進むという不思議な現象がおきました。
それは下り坂を走っている時に、急には止まれないのと同じ様な感覚でした。
(いや、本当に止まろうとすれば止まれるけど。)
「running is controlled falling」を理解した瞬間でした。
重力を使った走りの動作イメージ
直立静止状態です。青線は体軸 赤線は重心
重心と体軸は一致しています。
体全体の筋力を使って直立状態のまま体を前傾させていきます。
重心が前方に移っていきます。
前に倒れそうになった瞬間に体の力を抜くとどうなるでしょうか?
自然に片足が前に出ます。
いいえ、違います。片足が前に出たのでは無く「落下」したのです。
前足側に重心が移ると前足に引っ張られて後ろ足が移動します。
静止状態です。
面白いことに力を抜いたのにもかかわらず、前に進む事が出来るじゃないですか!!
傍目には走っているのと同じ様に見えますが、重力を使って進むメカニズムは全く違うのです。
前足は持ち上げてから踏み込むのではなく、重心下にすみやかに落とします。
後足は地面を蹴るのではなく、前足の落下エネルギーを骨盤を支点にして引き抜いています。
前足も後ろ足も落下運動に連動させていきます。
自然に出た足の着地位置は、体軸と重心の一直線上にある事にも注目です。
また、足のどこで着地しているかというとカカト(ヒールストライク)でも無くつま先でもありません。
自然に出た足は足裏中央重心のフラット着地(ミッドフット)になります。
この重力を利用した走り方をマスターすると脚が勝手に前に進んでしまうので、速くなり過ぎない様に体をコントロールするだけになります。
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